手を繋いで、君と前を向く。

「せっかくだから、メロンだけでも食べて行って?」

「あ、はい」


さすがに断ることができず、一度出た病室に戻り潮路の寝顔を見ながらメロンを食べる。

なんとも不思議な光景に、メロンの味なんて正直全くわからなかった。

だけど、嫌な空間ではなかったと思うからそれもまた不思議だ。

潮路の目元は泣いたからか最初に強く擦ったからか、赤くなってしまっていたけれど、その寝顔はどこかすっきりしたように見える。

それに俺も安心していた。


「ごちそうさまでした」

「お粗末さまでした。今日は本当にありがとう。また来てね」

「……はい」


頷いて、病室を後にする。

廊下に出ると、近くにあるデイルームに向かい、そこの椅子に座った。



潮路の泣き顔が、頭から離れない。

抱きしめた時の感触が、震えている身体を支えた感触が、手に残っているような気がする。

柔らかくて、甘い匂いがして。……それで。

そこまで考えて、振り払うように首を横に振った。


……俺、今何考えてた?キモくないか……?


だけど、やっぱり潮路の泣き顔が目の奥をチラつく。