手を繋いで、君と前を向く。

「全部吐き出しちまえよ。俺でいいなら、全部受け止めるから」


わたし、不安なのかな。怖いのかな。

自分ではよくわからないし、無理して笑っているつもりもなかった。

ただ、心配かけたくないだけで。

わたしが泣いちゃったら、お母さんがもっと悲しむと思ったら泣けないだけで。

ただ、それだけだったんだけど。

病気も、再発って言われてああそうかって思っただけなんだけど。

でも、それって気持ちに蓋をして我慢してるだけだったのかな。


「言えよ。寂しいって。つらいって。苦しいって。怖いんだって。自分の気持ちに嘘つくなよ。それ以上我慢すんな」


そう言われて、心の奥底にしまっていた感情が目を覚ます。

じわじわと全身を回る、負の感情に驚いた。


──そうか。わたし、怖いんだ。不安なんだ。寂しいんだ。


一度は治ったと思っていた病気が再発して、今度こそ死ぬかもしれないと思って。

だけど、それを認めたら本当に死んでしまう気がして、怖くて蓋をしたんだ。

この入院生活で人生が終わったらどうしよう。

もう愛ちゃんや友達に会えなかったらどうしよう。

学校にももう行けなくなっちゃうのかな。

今年は修学旅行もあって、高校受験もあるのに。

卒業できるのかな。受験できるのかな。高校生になれるのかな。

そんな、たくさんの不安や恐怖を全部しまいこんでいた。

それが一気に溢れ出して、手を握ってくれる九条くんに一つずつ打ち明けていく。