手を繋いで、君と前を向く。

「俺……何やってんだ……」


勝手に慌てて、急に飛び出して。

自分のバカさ加減に呆れる。

せめて病院くらい聞いてくるべきだった。

いや、何言ってんだ。俺は関わるべきじゃない。もう、あいつのことは忘れないと。これ以上俺の事情に巻き込まないように。

そう思うのに、こんなにも胸が痛いのはどうしてだろうか。


……こうしていたってどうにもならない。帰ろう。


来る時は息切れも気にならないくらい走っていたのに、帰りの足取りは重く、空気までもが重い。

しかしそんな時に


「そこのあなた!待ってください!」

「……?」

「あなたです!茶髪の!制服の!ちょっと待って!」


茶髪という単語に思わず振り向いてしまった俺だけど、呼び止めたのは知らないおばさんだった。

人違いかと思ったけれど、辺りを見渡しても他に制服を着た茶髪の人などいない。

じゃあ誰だ……?

警戒していると、


「あの、あなた九条くんですか?私、潮路雪菜の母です」


そう言われて


「え……」


驚いて言葉を失った。