手を繋いで、君と前を向く。

「看護師さんが言うには、雪菜が倒れた時に抱きかかえてくれてお茶を飲ませてくれた男の子がいたって。そのお茶を雪菜のだからって渡してくれたそうよ」

「そう、だったの……?」


九条くんが?わたしを助けてくれたの?

言われて、じわじわと思い出してくる。


"あ、おい、どうした!?大丈夫か!?"

"ごめ……なさ……もう、大丈夫だから……"

"どこがだよ!おい!しっかりしろ!"


「あ……そうだ、九条くんに会って、急にめまいがして立ってられなくなって……」


それで、九条くんが介抱してくれたんだ。


"おい潮路、これ今買ったばっかで口つけてないから!早く飲め"


そう言ってお茶を一口飲ませてくれて、それがおいしくて。安心してるうちに、気を失ってしまったんだ。


「お礼、言わなきゃ……」

「何言ってるの。雪菜はさっき倒れたばっかりだしこれから検査もあるんだから寝てなさい。お母さんが代わりに行ってくるから」

「でも、もう帰っちゃったかも……」

「それでも、見てくるから。どんな子かだけ聞いてもいい?」

「えっと……明るい茶髪で、キャップかぶってて、かっこいいけど目つき怖い人で」


そこまで言って、お母さんがびっくりしていることに気付いて慌てて首を横に振る。