手を繋いで、君と前を向く。

「おい潮路、これ今買ったばっかで口つけてないから!早く飲め」

「あ、ありがと……」


これが正しいのかはわからないけれど、ただ何もせずに看護師が来るのを待っていることなんて俺にはできなかった。

こくりと一口だけ飲んでくれて、それに一気に安心した。


「どうしました!?」

「え」

「大丈夫ですかー?聞こえますかー?」


ちょうどそのタイミングで看護師が慌ててやってきて、俺は何も説明できないまま潮路の身体を離す。

その場に寝かせられて処置されていく潮路を見ながら、全身の力が抜けて座り込んだ。


「兄ちゃん、大丈夫か」

「あ……はい」


見知らぬじいさんに声をかけられてとっさに返事をする。

それに我に返り、


「あ、あの!」


どこかに運ばれていく潮路と看護師を呼びとめ、


「これ、こいつのなんで……」


飲みかけのお茶のペットボトルを看護師に託した。