手を繋いで、君と前を向く。

「なっちゃん、喉乾いてない?下のコンビニで、好きなもの買っておいで」

「いや、いいから」

「遠慮しないの。じゃあお母さんのおつかいお願いしてもいい?新発売のぶどうのグミがあるらしいの。それがすごくおいしいって看護師さんが話してて、気になっちゃってね。買ってきてくれない?」

「……はぁ。わーったよ。行けばいいんだろ行けば」

「ありがとう!なっちゃん」


ため息をつきたくなるのを堪えて、俺は小銭を受け取る。

それを持って、病室を出てエレベーターに乗った。



下のコンビニに行くと、結構混んでいて進みづらい。

最初に母さん希望のグミを見に行ったけど、どうやら売り切れのよう。

まぁ、俺に好きなものを買って来させるための言い訳のようなものなのだから、売り切れだと言えば文句は言われまい。

適当に自分のお茶だけ買って、お釣りをポケットに入れてコンビニを出た。

すると、


「……あ」

「あ?……お前、また」

「なんか……よく会いますね?」


潮路雪菜の姿があった。


「んだよ、まだいたのか」

「はは……。九条くんは?お見舞い終わったんですか?」

「まぁ、そんなとこ」

「そっか。じゃあ、わたしはこれで」


ひらひらと手を振りながら去ろうとした潮路。なぜかその背中が寂しそうに見えて、気になり振り返る。

すると、次の瞬間目の前で潮路がふらついて倒れそうになった。