手を繋いで、君と前を向く。

そんな時に出会ったのが、さっき見たあいつ……潮路雪菜と言ったか。潮路の姿を思い出すと、何とも言えない感情が湧き出てくる。

ケンカしてケガした俺を手当する女なんて、初めて出会った。

しかもそれが同じ学校の生徒で、よく知らないけれど同じ学年。

俺に対してご丁寧に名乗ってくる女も初めてだった。

焦って意味のわからないことを口走っている姿が面白くなって、久しぶりに笑ったような気がした。



……俺、まだ笑えるんだ。



そう思ったら、冷え切っていた心がなんとなくあったかくなったような。そんな不思議な感覚になった。