手を繋いで、君と前を向く。

それからだ。俺が目に見えて荒れ始めたのは。

突然一人きりになった家には帰りたくなくて、孤独を感じたくなくて夜に出歩くようになり、それがバレて学校から問い詰められた。

適当にはぐらかしてたら真面目に答えろ!と机をバンと叩かれて、イラッとしてその机を蹴り上げたら教師に偶然当たってしまった。

それが問題となり、暴力事件だと騒ぎ立てられてそのまま退学に。

公立の中学に転校になったものの、私立の一件からもう人生に絶望していたし誰も信用できなかった俺は、髪を染めて誰も近寄らせないようにした。

ケンカに明け暮れ、昼も夜も家に帰らずに適当に街をぶらつく。

ケンカに負けて路地裏で意識失ったまま朝を迎えていたこともあった。

学校は気が向いたら行くくらいで、行っても授業なんて参加するつもりはない。

保健室で寝たり、空き教室で時間を潰したり。

そうやって、好き勝手過ごしていたんだ。

結局父さんは一度も母さんの見舞いに来ることはなく、もうすぐ三年。

病状は今のところ安定しているようだけど、いつどうなってもおかしくないというのはわかっている。

母さんが俺に心配をかけないようにそう言っているだけで、本当は危ない状態なんだろう。

最初は俺も母さんのところに毎日のように通っていたけれど、荒れてからはこんな俺を見られたくなくてたまにしか顔を出さなくなった。

いつしか月一で行けばいい方で、それでも俺が来るのをこうやって楽しみにしている母さんを見ると、いたたまれない気持ちになる。