手を繋いで、君と前を向く。


「はい、これで大丈夫」


ぺたりと貼った絆創膏。それに少し嫌そうな顔をした彼は


「お前、変なやつだな」


とゆっくり立ち上がった。


「え」

「普通、こんなナリしたやつの手当てしようなんて思わねぇだろ」

「そんなこと……」

「その制服、同じ学校だろ。ってことは、俺のこと知ってんじゃねーの?関わるなって言われてるだろ」

「え?……あ」


言われて初めて、彼がよく見る制服を着ていることに気が付いた。

同じ学校で、派手な色の髪の毛。


「……ってことは、あなた、もしかして……」


その続きは、うまく言葉にすることができなくて息を呑んだ。

直接見たことがなかったからわからなかった。


この人、あの九条 那智(クジョウ ナチ)くんだ……!