手を繋いで、君と前を向く。

その日は、朝から病院だった。

中学から同じ学校になった同級生たちはほとんど知らないけれど、わたしは小学生の頃、一年間入院生活を送っていた。

退院後も定期的に病院に通うことが決まっていて、今日はその健診日だったのだ。

だからまさか、この街で一番大きなこの大学病院で九条くんとばったり出くわすなんて、全く考えていなかったんだ。


「……どっか悪いわけ?」

「あ……うん、まぁそんなところ……です」

「ふーん」


緊張しているのか、胸がドキドキしてうまく言葉が出てこない。

関わるなと言われていたから、九条くんが話をしてくれるとは思わなかった。


「えっと、九条くんはどうしてここに?」

「……見舞い」

「お見舞い?」

「じゃあ俺行くから」

「あ、うん……」


病院の受診受付の待ち合いは、当たり前だけどたくさんの人がいる。

知っている人を見かけるだけでも珍しいのに、まさかそれが九条くんだなんて。

お見舞いって言ってたけど、家族がここに入院してるのかな……?

なんて、そんなのを聞くのは野暮ってやつだろう。