手を繋いで、君と前を向く。

そりゃあ、わたしだって目立ちたいわけじゃない。目の前で倒れている人がいたら……また声をかけてしまうだろうけれど、そうじゃない限りはひっそりと暮らしたいもの。

学校では静かに過ごしたいから、九条くんの言う通り、できるだけ関わらないようにしよう。

まぁ、元々学校で出会うことなんてなかったし、今まで通り何も生活は変わらないのだけど。

でも、これ以上九条くんに迷惑かけるわけにいかないもんね。


「愛ちゃん。ありがとう。自分じゃ何も気付けなかった」

「本当、あんたはぽやぽやしてるから危なっかしいのよ。ちゃんと気を付けなよ」

「うん」


それが功を奏したのか、わたしが噂の人物だということは数日経ってもバレていないようだった。

それどころか、少しずつ噂も自然に消えていく。

関わらない。そう決めたのに、噂が消えていくことにどこか安心している自分がいた。






──そんなある日。

「……は?」

「……え?どうして、ここに……」

「それはこっちのセリフなんだけど。なんでここにいんだよ……」


とある場所でまた九条くんに再会するなんて。

全く想像もしていなかった。