手を繋いで、君と前を向く。


「雪菜」

「ん?」

「ちょっと」

「……うん」


怖い顔をした愛ちゃんに呼ばれ、わたしたちは滅多に人が来ないで有名な図書室へ向かう。

そこで愛ちゃんは周りを警戒しながら


「まさか、あの噂の相手、あんたじゃないでしょうね!?」


と詰め寄ってきた。


「……多分、わたしなんじゃないかなー?って……思って、ます……」


素直に認めるのが少し怖くて、濁しながらそう答える。
すると愛ちゃんは


「やっぱり……」


と呟いた後に、


「いい?もう九条 那智とは関わらない!約束して!」


とわたしの肩を掴む。


「そもそもいつ会ったのよ!?」

「えっと……二日前、かな」

「はぁー……まさか雪菜、あんた本当に九条那智と付き合ってたり……」

「しない!それはしてません!」


全力で首を横に振ると、愛ちゃんは安心したように長いため息をついた。


「……でもね、九条那智の彼女じゃなくたって、一緒にいたことがバレたらどうなるかわかったもんじゃないんだよ」

「うん」

「九条那智にケンカふっかけてる奴がいるってことは、雪菜もそれに巻き込まれる可能性があるってことなんだからね!?わかってる!?」

「……そっか、だから九条くんはわたしに関わるなって……」

「そう。九条那智はあんたを巻き込みたくないんだよ。雪菜みたいにか弱い子が彼女だって思われたら、雪菜を利用しようと思うやつだっているかもしれない!そうなったら雪菜は傷付くし、九条那智だって迷惑だと思うでしょ!だから放っておけって言われてるの。わかった!?」

「うん、わかった」


そうか。そういう意味だったのか。

わたしはバカだ。本当にバカだ。

九条くんがわたしに関わるなと言った理由を、今の今までわかってもいないしわかろうともしていなかったなんて。

それで、放っとくのは無理だなんて言ったり。

わたしが九条くんの彼女と勘違いされたまま何かに巻き込まれたりしたら、九条くんに迷惑をかけてしまう。それはダメだ。

申し訳ないこと言っちゃったな……。