手を繋いで、君と前を向く。

*****


「関わるなって言われてもなぁ……」


保健室でカーテン越しに九条くんと会話をしてから一週間が経過したある日。

わたしは九条くんの言葉を思い出しながら帰り道を歩いていた。

日直の仕事で遅くなってしまったため、すでに空はオレンジ色に染まっている。

……なんだか、九条くんに初めて会ったときみたい。

そう思って少し笑っていると、ちょうどあの公園が見えてきた。

また前みたいに九条くんが倒れてたらどうしよう。

なんて、少し心配になって中を見てみる。

すると、心配した通り今日も公園の中には人影がいて驚いた。

しかも、ただ誰かがいるだけではない。何やら怒鳴っているような声と鈍い音が聞こえてくる。


「え……もしかして、ケンカ……!?」


恐る恐る近付いて見てみると、一人の男が何人もの男に囲まれている。

殴り殴られ、握った拳が身体に当たる音が響いており、さっきの鈍い音の正体を知った。


「うそ……どうしよう……どうしよう……」


怒鳴り声はどんどん大きくなるばかりで、目を背けたくなる光景が続く。

逃げなきゃ。巻き込まれる前に逃げないと。

そうするのが正解なのはわかっている。


……だけど。


見覚えのあるあの明るい髪の毛と制服を見てしまったら、放ってなんておけないじゃないか。