手を繋いで、君と前を向く。

お参りを終えて帰ろうとすると、父さんから電話が来ていてスマホを耳にあてた。


「もしもし」

『那智。……今晩、食事でもどうだ』

「なに、急に」

『いや、この間話せなかったこともたくさんあるから。今までのこと、もう一度謝りたくてな』

「そういうのいいから。……でもまぁ、仕方ないからそんなに食事に行きたいなら行ってやるよ」

『フッ……わかった。ありがとう。じゃあ後で荷物を置きに家に帰るから』

「あぁ」


電話を切ると、なんともむず痒い気持ちになる。

素直に行くと言えない俺も大概だけど、今さらメシだなんて言い始める父さんも大概だ。


……母さんの退院日が決まった。


父さんも、今度海外赴任が終わって本格的に日本に戻ってくるらしい。

バラバラだった家族が、また元に戻ろうとしている。

それもこれも、全部潮路と出会ったおかげだな。

そう思うと、今すぐに潮路に会いたくなって連絡をする。


"会いたい"


潮路には素直にそう言える自分が単純すぎて、メッセージを送りながら笑ってしまった。