「潮路」
「はい……」
「さっきの、もっかい言って」
「さっきの……?」
「俺のこと、どう思ってんの。もっかい教えて。俺ばっかり言ってて、大分恥ずかしい」
もし本当に、これが夢じゃないなら。
「──好きです」
「っ、……」
「九条くんのことが、大好きです」
胸に秘めていた言葉が、どんどん溢れていく。
「優しくて、かっこよくて、ギャップがあって。誰よりも素敵な九条くんが、大好きです」
九条くんの背中に腕を回すと、甘えるように抱きついてみる。
すると、元々無い隙間がさらになくなるくらいにもっとキツく抱きしめ返される。
涙が九条くんの服を濡らすけれど、そんなことを気にしている余裕もないくらいに離れたくなくて。
ただただ、気持ちが通じたことが幸せすぎて、泣き続けていた。



