手を繋いで、君と前を向く。

「あの、……九条くん」

「ん」

「わたし、今夢見てるのかな……?」

「……は?」

「だって、九条くんがわたしのこと好きって……」

「うん」

「夢でしょ……?そんなこと……え?夢なんだよね?」

「……」


パニックで九条くんにそう聞き返してしまうわたしに、九条くんは怒るどころか微笑んでからわたしを優しく抱きしめてくれた。


「夢じゃない。夢だったら困る」

「だ、って……」

「俺が潮路のこと好きっていうのが、そんなに信じられない?」

「うん、だって、九条くん、ずっとそんなこと一言も……」

「ハッ、そんなの言えるわけねーじゃん。こんなナリした不良だし、ケンカばっかりのクズだったし。……最初に関わるなって言ったの俺だし」

「そうだけど……」


でも、でも。それでも信じられなくて。

だって、それがもし本当なのだとしたら。


「夢じゃないなら、わたし、勘違いしちゃうよ……?」

「勘違い?」

「九条くんが、わたしのことを好きで。わたしも、九条くんのことが好きで。それって、両想いってことでしょ……?」


両想いだって、わたし、勘違いしちゃうよ……?

抱きしめてくれる腕の中から九条くんの顔を見上げると、九条くんは心底驚いたように目を見開いて、そしてそのまま目を逸らす。