手を繋いで、君と前を向く。

窓の外から朝陽が登るのが見えたころ。


「……全然眠れなかった……」


わたしは全く眠れないまま朝を迎えた自分に絶望していた。

昨日、九条くんに頬にキスをされた事件。いや、事件ではないのだけど。

わたしにとっては一大事の出来事に、頭が追いつかなくて全く眠れなかったのだ。

あのキスの意味はなんだったんだろう。

考えれば考えるほど頭がこんがらがって、結局何も答えは出ないまま。


"また明日くるから"


九条くんはそう言った。つまり、今日も九条くんは来てくれるということ。

だけど、どんな顔で会えば良いのかがわからない。

いくら頬とは言え、男の子からキスされたのは生まれて初めてだから。しかもそれが好きな人からだなんて、平常心でいられるわけがないじゃないか。

どうしよう。どうしたらいい?

お母さんに相談なんて恥ずかしくてできないし、愛ちゃんは学校と部活で忙しいし……。

相談できるような人がいないことに気付き落ち込んでいるうちに、時間だけがただ過ぎていった。