手を繋いで、君と前を向く。

「はぁ……」


こぼれ落ちるため息は、キスをしたことへの後悔ではない。

潮路の気持ちと身体のことを考えられていない、自分自身への呆れだ。

いっそ、あのキスで俺の気持ちが伝わってくれたほうがいいのかもしれないとさえ思う自分がいる。

その方が、潮路は俺のことを意識してくれるんじゃないだろうか。

なんて、そんなわけねぇだろう。

俺はどこまで卑怯なクズなんだ。

自分で伝えなきゃ何の意味もないだろう。

自分の言葉でちゃんと伝えないと、意味ないだろうが。

腹括って言えよ、俺。逃げてんじゃねーよ。

自分からも、家族からも、潮路からも逃げないって決めたんだろ。変わるんだろ。

そう自分に言い聞かせたら、身体の奥から少しずつ勇気が湧いてくるような気がした。


──明日、言おう。


たとえそれがどんな結果になろうとも。この気持ちを伝えよう。

唇がふれた頬の感触を思い出しながら、俺は小さく決意するのだった。