手を繋いで、君と前を向く。

そのまま愛ちゃんと話しているうちに担任の先生が来て、ホームルームをして授業が始まる。

だけどその途中で急に頭が痛み出して、二時間目が始まる前に保健室に行くことにした。


「雪菜、本当に一人で大丈夫?」

「うん、大丈夫だよ。ありがとう。行ってくるね」


ひらひらと愛ちゃんに手を振って、四階の教室から一階にある保健室に向かう。

頭痛もあるからか、それだけで疲れてしまう体力の無さに笑えてきそうだ。


「失礼します……」

「あら、潮路さん。どうしたの?具合悪い?」

「ちょっと頭が痛くて……ベッド借りてもいいですか?」

「いいわよ」


頭痛薬をもらって飲み込むと、案内されたベッドに潜り込んだ。


「……そうそう、これからちょっと用があってもうすぐ先生いかなきゃいけないんだけど……大丈夫?吐き気とか無い?熱測っておく?」

「あ、いや、大丈夫です。ちょっと寝てればよくなると思うので……」

「そう、わかったわ。ごめんね、なるべく早く戻ってくるから。もし何かあったらそっちのベッドに寝てる子起こしちゃっていいからね。サボってるだけの子だから」

「はーい」


サボってるだけって、まるで九条くんみたいだな……。

先生の言葉に適当に返事をしながら目を閉じる。