◇
そこには驚くほど広い空間が広がっていた。
どうやってこんな空間を作ったのかわからないが、天井高は七メートルほど。縦横は高校の体育館ほどあるだろうか。
灯りはグレンの魔法でつけたのか。天井付近に炎が揺らめいていて、それが空間全体をぼんやりと照らし出していた。
そしてそこには、リリアーナとセシルとグレン、それから、見上げるような大蛇の魔物の姿があって――。
「リリアーナ……ッ!!」
俺がリリアーナの名を叫ぶと、セシルとグレンがハッとこちらを振り向いた。
地面にうずくまるリリアーナの肩を抱くセシルと、大蛇と対峙するグレン。
二人は俺の登場に驚いた様子で、同時に俺の名前を叫ぶ。
――俺はロイドに背負われたまま、すぐさまリリアーナの元へ駆け寄った。
すると俺が地面に降りるより早く、セシルが俺に訴える。
「アレク! リリアーナが……!」
その声は焦りに満ちていた。今にも泣き出しそうな顔をしていた。
こいつでも、こんな顔をするんだな。そんな風に思ってしまうほどだった。
そんな……いつになく動揺したセシルの様子に、俺は逆に冷静さを取り戻す。
「大丈夫だ、心配するな。リリアーナは俺が引き受ける。だから、セシルはあの蛇を倒してくれないか? リリアーナは蛇が駄目なんだ」
「――ッ!」
俺の言葉に、ハッと悟った顔をするセシル。
その瞳がグレンと交戦している大蛇を見据え――鋭い殺気を放つ。
「わかった。五分で終わらせる」
そう宣言したセシルは、いつもの冷静なセシルに戻っていた。
そんなセシルに、不意に声をかけるロイド。
「僕も一緒に戦っていい?」と。
するとセシルは当然驚いた顔をしたが、ロイドの強さを見抜いたのだろう。黙って小さく頷き、ロイドと共に戦闘に加わった。
そこには驚くほど広い空間が広がっていた。
どうやってこんな空間を作ったのかわからないが、天井高は七メートルほど。縦横は高校の体育館ほどあるだろうか。
灯りはグレンの魔法でつけたのか。天井付近に炎が揺らめいていて、それが空間全体をぼんやりと照らし出していた。
そしてそこには、リリアーナとセシルとグレン、それから、見上げるような大蛇の魔物の姿があって――。
「リリアーナ……ッ!!」
俺がリリアーナの名を叫ぶと、セシルとグレンがハッとこちらを振り向いた。
地面にうずくまるリリアーナの肩を抱くセシルと、大蛇と対峙するグレン。
二人は俺の登場に驚いた様子で、同時に俺の名前を叫ぶ。
――俺はロイドに背負われたまま、すぐさまリリアーナの元へ駆け寄った。
すると俺が地面に降りるより早く、セシルが俺に訴える。
「アレク! リリアーナが……!」
その声は焦りに満ちていた。今にも泣き出しそうな顔をしていた。
こいつでも、こんな顔をするんだな。そんな風に思ってしまうほどだった。
そんな……いつになく動揺したセシルの様子に、俺は逆に冷静さを取り戻す。
「大丈夫だ、心配するな。リリアーナは俺が引き受ける。だから、セシルはあの蛇を倒してくれないか? リリアーナは蛇が駄目なんだ」
「――ッ!」
俺の言葉に、ハッと悟った顔をするセシル。
その瞳がグレンと交戦している大蛇を見据え――鋭い殺気を放つ。
「わかった。五分で終わらせる」
そう宣言したセシルは、いつもの冷静なセシルに戻っていた。
そんなセシルに、不意に声をかけるロイド。
「僕も一緒に戦っていい?」と。
するとセシルは当然驚いた顔をしたが、ロイドの強さを見抜いたのだろう。黙って小さく頷き、ロイドと共に戦闘に加わった。



