次の日、学校に登校して、すぐ、柚葉に、話しを聞いてもらった。
「私、昨日、見たかもしれない」
「何を？」
「昨日、言ってた、雨の幽霊」
「本当？！」
「うん」
私は、柚葉に、昨日、あった事を話した。
「扉を開けても、中には、誰も居なかった」
「そうなの」
昨日のあの時、教室の扉を開けて、中に入った。
でも、誰も居なかった。
おそらく、私が走って、教室に向かってる時に、すれ違ったんだ。
「残念だったね」
「また、確かめたかったけど、今日の天気は、晴れだし」
「そういえば、明日、雨らしいよ」
「明日か」
明日は、部活がある。その後なら、確かめに行ける。
「うん。明日、もう一回、確かめる」
そして、翌日の放課後、天気は、雨。部活が終わると、私は、空き教室を見て周っていた。下校しなくてはいけない時間まで、一時間ほどある。
「どこなの？」
どの教室を見ても、誰も居ないか、部活が終わっても、居残りをして、活動してる人しか居ない。
いよいよ、すべての教室を見終えた頃、少し、考えた。
うちの学校は、旧校舎がある。もし、人目を気にしてるなら、あそこに居るかもしれない。
私は、旧校舎に走った。
「ここだ。旧校舎」
鍵も閉まっていないはず。
私は、扉に手をかけて、横に引いた。扉は、しっかり、付いて来る。
「開いた。...ここに居るかもしれない」
私は、旧校舎に足を踏み入れた。
そして、また、考える。一つ一つの教室を探していたら、また、入れ違いになるかもしれない。それなら、探す教室も絞った方が良いかもしれない。もし、私なら、どの教室に入るか。
私は、ある教室に向かう事にした。
そして、目的の教室の前に着く。
ゆっくり、扉を開けた。
「誰？」