私の愛したゴミ

はじめてされたことしかなくて。
ぽかんと目を見開いたまま固まっていた。

でも不思議と不快感はなくて、案外初めてのちゅうってこんな感じで終わるんだ、なんて思った。

その後はそれ以上何もせずに改札まで送ってくれた。改札の前で何度目かのキスをされて見送られる。

改札を通った後、振り向いたらもうそこにはれんくんはいなくて。れんくんに私に対する気持ちが1ミリもないことを察した。

そして、私にも気持ちはなくて。

SNSの通知には『サキちゃんだっけ?名前』なんて来てた。名前も知らない女に好きって言ってキスなんてするなよ。

終電のガラガラにすいた車内に座りながら初めてトウヤにハグされた時、帰りの電車で何度もハグの感触を思い出してにやけていたのを思い出した。

れんくんに初めてのキスをされたのに唇になんの感触も残っていなければなんの感慨もない。ああ、こんなもんか、で終わった初キス。

残ったのは赤いマルボロとJildの香水が混じった香りにハイボールの後味だけ。

これで良かったのかな。ねえ、トウヤ。
わたし、なにしてんだろうね