私の愛したゴミ

「まって?!いくらだった!?」
「半分だす!」

トウヤは少し笑って軽く肩をすくめた。

「いらないよ」

いつも出させてくれない。

「ありがとー。」

お礼を言って当たり前のように私の駅へ向かってくれる。そっちから行くとトウヤの駅に遠回りなのに私の駅にいつも送ってくれる。本当に優しい。

その優しさにつけ込んで、トウヤの服の袖を握った。何の反応もなくて少し寂しいけどトウヤの服でも少し触れれたのが嬉しくてにこにこ歩いていた。

「また行こうね」
「うん」

またっていつ?社交辞令でしょ。
こういう時にまた誘ってね、なんて言うと日付は決めてくれるけどどうせ来てはくれない。だったら決めない方がマシだった。だから何も言わない。

トウヤの言葉はいつも優しいんだけど、その優しさには本当に意味がないんだなって思った。駅に送ってくれても、袖を握るのを嫌がられなくても、トウヤの心を手に入れることは無理なのかな…。