私の愛したゴミ

「何をそんなにお願いしてたのさ。」
「またトウヤ?」

ジト目で見てくるモモカ。

「内緒〜」

少し赤くなった顔をマフラーにうずめながらトウヤのことを思い浮かべる。


神様、私には好きな人がいるんです。

その人の顔は特別かっこいいわけじゃないけど、雰囲気がある人。

とびっきり優しくて頼りになる人。

私の長い爪を見て爪折れちゃうよ、なんて言って何でもしてくれちゃうようなちょっぴり思わせぶりな、でも、本当に素敵な人。

―私には決して振り向かない人。

だから一日だけでもいいからトウヤと付き合えたらわたし、死んでもいいのです。

鳥居をくぐりながら願い事を続ける。

ひとひらの冷たい風が吹いた。手首に着けたJILdのフローラルな香水が草木と共に密やかに香る。

神様、私はトウヤの特別な人になりたい。