「俺達は必ず、狐の元へお前を―――」
折成さんが言いかけ、止める。
右手で槍を構えると、左手で私達を庇うようにして手前をじっと見つめた。昂枝も私を離すまいと抱き締める。大分真っ暗になっている為、近く以外を認識するのは難しい。だが目を凝らしていると、徐々に人影が浮き出て近づいてくる事に気づく。
「……か、空砂…さん」
「こんな時間に一体何をしておるのじゃ」
空砂さんは顔色一つ変えずに私達三人の目の前に立ちはだかった。
「………くそ、間に合わなかった」
悔しさを顕にしながら、折成さんは吐き捨てる。
「何が間に合わなかったと申す。貴様はいつになったら言う事を聞くようになるのじゃ」
「…そ、それは……」
「“また”言い聞かせなくてはならぬか?」
「やめてください! それだけは…それだけはお願いですから」
空砂さんに縋るように懇願する折成さんの姿は、先程までの強さとは打って代わり立場の違いを見せつけられていた。
「―――ではそこにいる娘を早く渡すが良い」
「……………」
「おや、何を押し黙っておるのじゃ。今までだってそうしてきたじゃろう」
「ちがっ…」
「何が違う。それ以上逆らうのであれば後はないぞ」
空砂さんは折成さんを押し退けてこちらへ近づこうと手を伸ばした。そうはさせまいと折成さんも既のところで空砂さんの手首を力強く掴む。
「…っ………げろ。……逃げろお前ら!!」
そして私達の反対側へ空砂さんを引っ張ると、槍を勢い良く放った。
「…! 結望!」
彼の動きに合わせて昂枝は私の手を引くと全速力で走り出す。
ガンッ! と鋭い音が背後から聞こえ、走りながら後ろを振り返った。折成さんの槍と、空砂さんの短刀がギリリと擦れている。
「俺の事などどうでもいい! 早く狐の所へ行け!」
険しい表情で折成さんは訴える。
「…っごめんなさい、折成さん」
私達はそれ以降振り向くことなく、すぐそこまで来ていた妖葬班の根城へと足を急いだ。
折成さんが言いかけ、止める。
右手で槍を構えると、左手で私達を庇うようにして手前をじっと見つめた。昂枝も私を離すまいと抱き締める。大分真っ暗になっている為、近く以外を認識するのは難しい。だが目を凝らしていると、徐々に人影が浮き出て近づいてくる事に気づく。
「……か、空砂…さん」
「こんな時間に一体何をしておるのじゃ」
空砂さんは顔色一つ変えずに私達三人の目の前に立ちはだかった。
「………くそ、間に合わなかった」
悔しさを顕にしながら、折成さんは吐き捨てる。
「何が間に合わなかったと申す。貴様はいつになったら言う事を聞くようになるのじゃ」
「…そ、それは……」
「“また”言い聞かせなくてはならぬか?」
「やめてください! それだけは…それだけはお願いですから」
空砂さんに縋るように懇願する折成さんの姿は、先程までの強さとは打って代わり立場の違いを見せつけられていた。
「―――ではそこにいる娘を早く渡すが良い」
「……………」
「おや、何を押し黙っておるのじゃ。今までだってそうしてきたじゃろう」
「ちがっ…」
「何が違う。それ以上逆らうのであれば後はないぞ」
空砂さんは折成さんを押し退けてこちらへ近づこうと手を伸ばした。そうはさせまいと折成さんも既のところで空砂さんの手首を力強く掴む。
「…っ………げろ。……逃げろお前ら!!」
そして私達の反対側へ空砂さんを引っ張ると、槍を勢い良く放った。
「…! 結望!」
彼の動きに合わせて昂枝は私の手を引くと全速力で走り出す。
ガンッ! と鋭い音が背後から聞こえ、走りながら後ろを振り返った。折成さんの槍と、空砂さんの短刀がギリリと擦れている。
「俺の事などどうでもいい! 早く狐の所へ行け!」
険しい表情で折成さんは訴える。
「…っごめんなさい、折成さん」
私達はそれ以降振り向くことなく、すぐそこまで来ていた妖葬班の根城へと足を急いだ。

