しかし何故か、空砂さんによって遮られてしまう。
寸分の狂いも無く刃に当てると、弾は綺麗に真っ二つに割れて威力を失った。カチャンッと落ちる音が静かに木霊する。
「海萊……、やはり儂は、お前のそういう所が好かんのじゃ」
「は……、何を……?」
空砂さんは左脇腹に刺さっている矢を引き抜きながら「…儂に似ていて嫌いじゃ」と、ぼやいた。
「なっ――」
刹那だった。
目の前で赤い鮮血が飛び散った。
あまりにも速くて何が起きたのか理解に苦しんだけれど、海萊さんが叫びながら倒れ、腹部を押さえながら蹲っているのが見えて顔が青ざめる。
――空砂さんが、海萊さんを刺したのだ。
あの時と同じだ。海萊さんが深守を刺した時と。状況は殆ど同じで、多分、因果報応といえばそうなのだけれど。だけど、私にはそんなのどうでも良くて。
どくどくと床が身体から溢れ出していて、今すぐ助けないと死んでしまう海萊さんを見捨てる事などできっこない。私は重い身体を振り切り、無我夢中で立ち上がると傍へと駆け寄った。
「ふざ、けるな花嫁……っ! 同情するつもり、か!」
「違います! ……違いますけど、早く止血しないと死んでしまうから」
後ろからついてきていた狐の式は、何か察したのか直ぐに海萊さんの傷口を舐め始めた。どうやら深守が作った式神にも、多少の治癒効果があるらしい。私が手当するよりも先に、傷口が癒えてきているのが見て取れた。
「よかった……」
「俺が、妖に……。何がよかっただ……最悪だ」
傷口が完全に塞がった訳ではないが、山場を乗り越えたであろう海萊さんは溜息を吐いた。
それもそうだ。忌み嫌い倒している妖の式神に助けられてしまったのだから。
「結望、何故そいつを助けた!?」
「そんな奴放っておけばいいだろ!!」
昂枝と折成さんは鬼族と戦いながらも、こちらへと言及した。
「だって、例え敵だとしても、誰も死んで欲しくないの……!」私はすぐ傍で横たわる海萊さんと、表情を変えずに辺りを見渡している空砂さんを見る。「こんなの、……誰も幸せになんてならないわ」
このままじゃ、皆苦しむだけだ。
だけど、どうしたら良いの?
鬼族も、他の妖達も、村も、妖葬班も、何で皆仲良く出来ないの?
この人達は本当に自分勝手だ。自分勝手で、手を取り合おうとしないで、無関係の人達を殺めて、自分達が良ければいいと思っている。
「私は、皆と助け合いたい……。鬼族も、妖葬班も、絶対に今のままじゃ……、きっと、もっと悲しい事になるから……」
「生贄の立場の癖に小賢しい奴じゃのう」
狐達からの障壁を強引に破り、空砂さんは私の胸ぐらを掴む。深守が鬼族を叩いて駆け寄ってくるのが見えた。
寸分の狂いも無く刃に当てると、弾は綺麗に真っ二つに割れて威力を失った。カチャンッと落ちる音が静かに木霊する。
「海萊……、やはり儂は、お前のそういう所が好かんのじゃ」
「は……、何を……?」
空砂さんは左脇腹に刺さっている矢を引き抜きながら「…儂に似ていて嫌いじゃ」と、ぼやいた。
「なっ――」
刹那だった。
目の前で赤い鮮血が飛び散った。
あまりにも速くて何が起きたのか理解に苦しんだけれど、海萊さんが叫びながら倒れ、腹部を押さえながら蹲っているのが見えて顔が青ざめる。
――空砂さんが、海萊さんを刺したのだ。
あの時と同じだ。海萊さんが深守を刺した時と。状況は殆ど同じで、多分、因果報応といえばそうなのだけれど。だけど、私にはそんなのどうでも良くて。
どくどくと床が身体から溢れ出していて、今すぐ助けないと死んでしまう海萊さんを見捨てる事などできっこない。私は重い身体を振り切り、無我夢中で立ち上がると傍へと駆け寄った。
「ふざ、けるな花嫁……っ! 同情するつもり、か!」
「違います! ……違いますけど、早く止血しないと死んでしまうから」
後ろからついてきていた狐の式は、何か察したのか直ぐに海萊さんの傷口を舐め始めた。どうやら深守が作った式神にも、多少の治癒効果があるらしい。私が手当するよりも先に、傷口が癒えてきているのが見て取れた。
「よかった……」
「俺が、妖に……。何がよかっただ……最悪だ」
傷口が完全に塞がった訳ではないが、山場を乗り越えたであろう海萊さんは溜息を吐いた。
それもそうだ。忌み嫌い倒している妖の式神に助けられてしまったのだから。
「結望、何故そいつを助けた!?」
「そんな奴放っておけばいいだろ!!」
昂枝と折成さんは鬼族と戦いながらも、こちらへと言及した。
「だって、例え敵だとしても、誰も死んで欲しくないの……!」私はすぐ傍で横たわる海萊さんと、表情を変えずに辺りを見渡している空砂さんを見る。「こんなの、……誰も幸せになんてならないわ」
このままじゃ、皆苦しむだけだ。
だけど、どうしたら良いの?
鬼族も、他の妖達も、村も、妖葬班も、何で皆仲良く出来ないの?
この人達は本当に自分勝手だ。自分勝手で、手を取り合おうとしないで、無関係の人達を殺めて、自分達が良ければいいと思っている。
「私は、皆と助け合いたい……。鬼族も、妖葬班も、絶対に今のままじゃ……、きっと、もっと悲しい事になるから……」
「生贄の立場の癖に小賢しい奴じゃのう」
狐達からの障壁を強引に破り、空砂さんは私の胸ぐらを掴む。深守が鬼族を叩いて駆け寄ってくるのが見えた。

