「――でも……私にとっての神様は、間違いなく深守さんだった。だって別に、関係のない彼が全てを背負う必要は無いんだもの。あの日々だけで十分幸せだった……。だけどね、彼はちゃんと貴女を迎えに来てくれた」
「深守……は」
ずっと傍にいた。
ぽろぽろと涙が零れ落ちた。何故幼い頃の記憶を失っていたんだろう。こんなにも、ずっと前から私達の事を思ってくれていたのに。見守ってたと言っていたのは、本当だったのに。
「……過去の記憶を消されていたの。私も、貴女も。鬼族に繋がるような事は……覚えていなくても仕方ないわ」
「会いたい……、会いたいよ……っ」
私の為に頑張る貴方に。抱き締めてくれる貴方に。
「……会えるわ。貴女が此処から目覚めようと思えば、必ず」
「でも……、お母様は……」
「大丈夫よ。ずっと貴女の傍に居ますから」
そう言って紀江は、懐から短刀を差し出した。
「これで私を刺しなさい」
「っ……そんな、出来ません……!」
「私は、長…羅刹様に飲み込まれた紀江の意識の一部。結望と羅刹様を切り離すには、まず、私が貴女の元から居なくならなくてはなりません。……お願いです。この連鎖を止める為にも」
「でも、でも……離れたくありません」
「でもじゃありません……。貴女は此処に居てはならないのだから」
「……あんまりだわ」
紀江は結望の手を取ると、有無を言わさず短刀を握らせた。
「深守……は」
ずっと傍にいた。
ぽろぽろと涙が零れ落ちた。何故幼い頃の記憶を失っていたんだろう。こんなにも、ずっと前から私達の事を思ってくれていたのに。見守ってたと言っていたのは、本当だったのに。
「……過去の記憶を消されていたの。私も、貴女も。鬼族に繋がるような事は……覚えていなくても仕方ないわ」
「会いたい……、会いたいよ……っ」
私の為に頑張る貴方に。抱き締めてくれる貴方に。
「……会えるわ。貴女が此処から目覚めようと思えば、必ず」
「でも……、お母様は……」
「大丈夫よ。ずっと貴女の傍に居ますから」
そう言って紀江は、懐から短刀を差し出した。
「これで私を刺しなさい」
「っ……そんな、出来ません……!」
「私は、長…羅刹様に飲み込まれた紀江の意識の一部。結望と羅刹様を切り離すには、まず、私が貴女の元から居なくならなくてはなりません。……お願いです。この連鎖を止める為にも」
「でも、でも……離れたくありません」
「でもじゃありません……。貴女は此処に居てはならないのだから」
「……あんまりだわ」
紀江は結望の手を取ると、有無を言わさず短刀を握らせた。

