胸の前まで引き上げたシーツを、両腕を交差させて抱き留めるわたしに、正面からのしかかる重み。
振りほどけない。
それ以前にセイジの言葉にも体温にも、嬉々として身をまかせている自分が不思議。
恋に落ちるのは怖いのに、幸せだと感じているのが不可解。
「そんなことしたらパパに張り倒されるよ」
「どれだけ張り倒されればカレンは俺のものになるの?」
「え」
「好きなだけ張り倒してくれていい」
かき抱くわたしのうなじにセイジは鼻先を埋める。
「だから帰らないでカレン」
わたしはセイジの腕の中でただじっとして、そのぬくもりに身をゆだねていた。
呟くように、頼むよ、と続けられた。
「うん」
魔法にかかったように、わたしの口から従順な音が滑り出した。

