気がつくと、雨がやんでいた。
あれからどのくらい時間が流れたのだろう。
雨上がりの空独特の澄んだ空気が、前の建物の屋上からのLEDライトの青い光を、鈍らせることなくここまで運ぶ。
通り雨が過ぎ、埃っぽさの一蹴された美しい青い夕暮れ。
微かに笑いが漏れそうになり、わたしは息を潜めた。
Something Blue……。
そんな単語をふいに思い浮かべてしまった自分が可笑しいのかもしれない。
明るい青に輝く外とは対照的に部屋はセピア一色に塗り込められていた。
セイジが電気をつけないからだ。
ベッドに横たわったわたしに背を向けて座る彼の向こう側には、糸のような細い煙が、微かにゆらめきながら真っ直ぐに立ち上っている。

