妖艶に唇の端を持ち上げて、スーツの上着を脱いで床に落とす。
ネクタイに長い指をかけ、煩わしそうに左右に振って緩め、手早く解くと、それを一気に引き抜きながら、ベッドに上がってくる。
「カレン……」
息を飲むほどに美しい男。
魔術にかかったようにわたしは動けない。
「拒むなら今だよ」
「…………」
「強要はしない」
「…………」
「いいよな?」
わたしの意思なのかどうかわからない。
わたしは彼からほんのわずかさえも目をそらすことができなかった。
吸い込まれるようにそのつややかな瞳を見つめ、数ミリ、首を縦に振っていた……。

