狩った獲物に対してこんなに優しくなれる獣がいるのだろうか。
そう思わせるほど、彼のキスは優しくて、でも深くて激しくて、わたしから思考を強引に取り上げた。
わたしを感覚だけの生物に貶める。
「カレン……」
自分の名が、こんなにも美しい響きを持っているのだと今、知った。
セイジは唇を離すと、わたしの腕を無造作にひっぱり、少し離れた場所まで連れて行くと、そっと肩を押した。
不安定な高いヒールと、思考麻痺のせいで、わたしはあっけなく背後のスプリングに受け止められることになった。
木枠の、巨大な窓に寄せて据えられた大きなベッド。
「高いヒールだと、不利だよね。こういう時」

