NY・Sentimental


玄関に一足(いっそく)彼のビジネスシューズが出ていて、室内履きが外と中を隔てる場所に置いてあるから。


でもセイジはわたしの手をひき、そのまま靴も脱がずに部屋に上がった。
すごく高い天井のコンクリート打ちっぱなしのリビングが、いきなり現れる構造。
撮影かなにかにでも使われるような、洗練された珍しいタイプのたぶん1BR.

彼はそこを抜け、正面の部屋に入っていく。
わたしの手は、握ったままだ。
そこは、明らかに、どう見ても、ベッドルームだった。


「これは、どういうこと……」

「俺はいい人なんかじゃない」

つ、まり……。

$10000000の契約をモトムラに抱かれることなく取ってやったんだから、替わりに俺が抱く、と言っているの?