「それは……えっと」
昔香蓮が玲志に宛てたラブレターで間違いない。
渡したくても渡せなかったというのに、いざ本人の手に渡ると途端に読まれたくない衝動に駆られる。
彼が好きなのに違いないが、心の準備ができていない。
「昔、香蓮が書いてくれたものなのか?」
玲志は封筒を持ち、真剣な表情で香蓮に尋ねる。
彼女は恥ずかしさのあまり、顔を真っ赤にして頷いた。
「見てもいいか? 香蓮」
「は……い……」
口から心臓が出そうになりながら、香蓮はなんとか声を振り絞る。
玲志にどんな反応をされるのか怖くて仕方がないが、昔から変わらない自分の気持ちを伝えたいというのも事実だった。
玲志は封筒の中から一枚の便箋を取り出し、視線を落とす。
彼は丁寧に書かれている香蓮の文字を、黙って読み始めた。
「その手紙……本当は、玲志さんが海外に行く前に渡すつもりだったんです」
昔香蓮が玲志に宛てたラブレターで間違いない。
渡したくても渡せなかったというのに、いざ本人の手に渡ると途端に読まれたくない衝動に駆られる。
彼が好きなのに違いないが、心の準備ができていない。
「昔、香蓮が書いてくれたものなのか?」
玲志は封筒を持ち、真剣な表情で香蓮に尋ねる。
彼女は恥ずかしさのあまり、顔を真っ赤にして頷いた。
「見てもいいか? 香蓮」
「は……い……」
口から心臓が出そうになりながら、香蓮はなんとか声を振り絞る。
玲志にどんな反応をされるのか怖くて仕方がないが、昔から変わらない自分の気持ちを伝えたいというのも事実だった。
玲志は封筒の中から一枚の便箋を取り出し、視線を落とす。
彼は丁寧に書かれている香蓮の文字を、黙って読み始めた。
「その手紙……本当は、玲志さんが海外に行く前に渡すつもりだったんです」


