「あっ、ん……はぁ……」

甘ったるい自分の声に気恥ずかしくなった香蓮は、とっさに口を手で押える。

太ももの付け根に舌を這わせていた玲志は目を細めると、腕を伸ばし、すかさず彼女の口から手をどかした。

「香蓮。俺がその声が好きだと何度言ったら分かる? もっと聞かせろ」

「やっ、玲志さ……あっ……」

みだらな水音とベッドが軋む音に耳を犯されて、香蓮の顔はさらに赤く染まる。

彼の激しい愛撫に今日も外が白むまで彼に抱かれる……そう予感した彼女の腹の奥がぎゅうっと切なく締め付けられた。

香蓮と玲志が体を重ねてはや一か月。

今まで仮初夫婦だったのが嘘のように、彼らはほぼ休みなく蜜月に浸っていた。

「れ、玲志さん。明日はハードスケジュールですし、今日はこれで終わりにしましょう……?」