冷酷社長が政略妻に注ぐ執愛は世界で一番重くて甘い


 「あっ……」

 玲志の体重が一番深い場所にかかり、香蓮は一気に絶頂に追いやられる。

 彼女は耳元ではっきり聞こえてきた言葉に応えたかったが、あまりにも感じたことがない快感に震えるしかできない。

 「わ、たしも……愛してます」

 意識がもうとうとする中なんとか香蓮が言葉を紡ぐと、息を上げた玲志に強く抱きしめられた。

 「君には俺がいる。だから……安心して眠ってくれ」

 「は……い……」

 彼の言葉通り、香蓮の意識は途切れ途切れになっていく。

 (もう寂しくない。玲志さんがこうやって抱きしめてくれているから)

 心の余白が完全に埋まったような充実感を感じながら、彼女は目を閉じる。

 薄れていく意識の中で『香蓮をひとりにしない』と玲志が囁いてくれたような気がした。