玲志は息を上げたまま、香蓮の耳元で囁く。
寂しげな響きを感じた彼女は、とっさに彼の広い背中を抱きしめた。
「離れていたからこそ、私は今……こんなに幸せですよ」
香蓮の言葉に玲志の肩がわずかに震える。
「玲志さんの鼓動を聞いているだけで、私、すごく嬉しいんです。きっとすぐに結ばれていたらこんなふうに思えていなかった」
身体を起こした玲志は、笑みを浮かべた香蓮の頬を親指で撫でる。
「ありがとう、香蓮」
彼は愛おし気に彼女に笑いかけると、自身の滾った熱を彼女の濡れそぼった箇所にあてがった。
「でも俺はどこまでもどん欲なようだ。離れていた時間を埋めたいなんて思ってる」
「玲志さん……」
「君を抱かせてくれ」
玲志はその言葉を最後に、真っ白な手を握ると一気に腰を押し進めた。
身体が軋むほど重たい痛みに香蓮の顔をゆがむ。そんな彼女を見て彼もまた、苦し気に眉を顰めた。
「ごめんな。香蓮」
「……っ、いいえ。玲志さんとひとつになれて……幸せです」
どこまでも健気な彼女が愛おしいあまり、玲志は腰を動かしながら彼女の唇を求めた。
「あっ……れいし、さん……」
腰に感じていた痛みが次第に快楽へと変わっていくさまに、香蓮は激しく戸惑う。
彼女は乱れながらも、自分を全身で欲している彼の表情に見惚れ、さらにベッドを濡らした。
「愛してるよ。香蓮」


