【そうだね】
「君にまた会えるように俺も頑張って生きるよ」
ふんわりと笑った彼の頬は以前見たときよりも少し痩せていることに今更気が付いた。
前は走っていたのに今日は車椅子を使っている。
彼がどんな状況なのかはわからないけれど、確実にこの前会ったときよりも病魔に蝕まれていることはわかった。
でも、彼が感じている辛さや不安はわたしには到底わかるはずもないものだからなんて声をかけるべきなんだろう。
想くんだったらなんて言ってあげるのかな。
【わたしも早く足のケガ治すね】
それくらいしか言えなかった。
”早く自分の声で話せるようになるね”なんてかっこいい言葉一つすら言えなかった。



