この想いが空を舞って、君に届いたら



 なんておどけたように笑った彼にわたしはムッとした表情を向けた。


 すると、その顔をみた風上くんが「嘘だよ、ごめんって」とクスクス笑いながら言ってきた。



【わたしだって頼もしい時があるんだから】



 情けないところしか今はないけど、わたしにだって頼もしい時くらいあるもん。



「俺が泣いたら慰めてくれるんだもんな?」


【うん、飛んで行ってあげるよ】


「その足で?」



 そう言いながら彼はギプスのついた左足に視線を向ける。

 確かにこの足で飛んでいくのは無理すぎる。

 でも、そういうのは気持ちの問題なの!



【こ、これはその……気持ちの問題だよ!】


「はは、そうだな。なんか君のおかげで元気出たよ」