「たまにだよ。明日が怖くなったりしたらここにきて空を見上げるんだ。ほら、上を見上げてたら涙が落ちてこないだろ?」
と、何かに耐えるような笑顔を浮かべた。
その笑顔には苦しみが滲んでいるような気がして不意にきゅっと胸を絞ったように悲しみがふつふつと沸いてくる。
―――明日が怖くなる。
この間、底抜けに明るい笑顔を浮かべていた彼にも明日が怖くなることがあるんだ。
そうだよね。どれだけ普段は明るい人でも泣きたくなる日やどうしようもなく悲しい日だってあるに決まってる。
【もし、君が泣いたらわたしが慰めてあげるよ】
「ありがとう。でも君だとちょっと頼りないかも」



