いや、想くんがどんな人なのか会ったことはないから実際はどうなのかわからないけれど、彼はわたしが想像している”想くん”そのものなんだ。
確か彼の名前は……風上くんだったかな。
風上くんがここにいていいと言ってくれたからわたしは松葉杖を使って彼の隣まで移動すると、そのまま地面に腰を下ろした。
【ありがとう】
スマホのメモにそう打ち込んだ画面を見せると風上くんは「どういたしまして」と口元を緩めた。
【いつもここにくるの?】
疑問をそのまま文字にして見せる。
すると、彼はその文章を見た後にゆっくりと首を左右に振った。



