目の前に置かれたケースを開けて折り紙を取り出して広げた。
赤、青、緑、黄色、ピンク……。
カラフルな色合いが視界に広がる。
どれも希望に満ちた色。
今のわたしは黒とか灰色とか茶色とかそんな感じの暗い色が合っている。
それでも無意識に一枚、手に取っていたのはピンク色の折り紙だった。
近くのテーブルに置いてあった筆箱からボールペンを取り出してぎゅっと握った。
ここになら、言えない想いを書いたって誰もバレない。
そう思ったわたしはピンクの面を裏返して白い面に“消えたい”というたった四文字を書いた。
―――消えたい。
これがわたしの今の気持ち。
こんなこと誰にも言えなかった。



