この想いが空を舞って、君に届いたら



 午後5時。


 わたしはダメもとでそう書いた飛行機を窓の外に投げた。
 


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 ☁
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 “ごめん。それはできない”



 次の日の午後5時に投げ込まれた紙飛行機をばくんばくんと鼓動を高鳴らせながら広げたあと、わたしの目に飛び込んできた文字は残念ながら嬉しい返事ではなかった。


 そうだよね。出しゃばった真似をしちゃった。


 また明日、謝ろう。


 いい返事を期待していたわけじゃないけれど、心のどこかで会えるんじゃないかって少しだけ淡い期待を抱いてしまっていたからちょっぴりショック。


 わたしはそばに置いてあった松葉づえを使って立ち上がり、そのまま病室を出た。