でも、その優しさが今のわたしには辛い。
なんて言えるわけもなく【ありがとう】と端的な言葉を打って二人に見せた。
面会の時間が終わり、二人が病室から出て行ったあとわたしは一人でため息をこぼした。
―――早く、消えたいな。
脳裏にそんな言葉がぼんやりと浮かんでくる。
生きてくれているだけでいい、か。
ピアノが弾けなくなったわたしに内心ガッカリしてるくせに。
声が出なくなったわたしを疎ましく思ってるくせに。
沸々と湧いてくる負の感情に心が飲み込まれる。
だけど本当は、大好きな両親の優しさを心の中で踏みにじってしまっている自分が一番嫌いだ。



