でもあいにく足を怪我しているわたしはその姿を見ることができない。
どんな人なんだろう。
わたしと同い年かな。
年下かな。それとも年上かな。
顔も知らない彼に想像を膨らませながらわたしは勉強でもしようとテキストを机の上に広げた。
「紗那、調子はどう?」
しばらくしてお母さんがニコニコと優しい笑顔を浮かべて病室に入ってきた。
わたしはそんなお母さんに笑顔を向けてからスマホのメモに【大丈夫】とだけ打ち込んで見せた。
「そっか。お父さんが紗那に会いたいって言っててね、今日仕事を早く切り上げて病院に来るって!」
嬉しそうに明るい口調で言うお母さんに口角を無理矢理上げた。



