千羽鶴へと視線を映して、やるせなさそうにぽつりと呟いた声はとても弱々しいものだった。
想くんは自分がきっともう長くが生きられないことを察しているんだ。
それがどれだけ受け入れがたいものだったか、わたしには想像もつかない。
想くんが真っ暗で何も見えなかったわたしの日常にまばゆい光をくれた。
だから今度はわたしが想くんの日常を輝かせたい。
―――君が空になるそのときまで。
【じゃあ、明日からここで毎日一緒に鶴を折ろう。わたしも想くんがくれた紙飛行機で作るから。わたしと想くんの世界に1つだけの千羽鶴にしようよ!】



