自分のことを願うんじゃなくて、わたしのことを願ってくれるなんてどこまでこの人は優しいんだろう。
泣きそうになっているわたしを見て想くんがくすりと小さく笑う。
【なんで笑うの!】
「だって、紗那ちゃんまた泣きそうになってるんだもん」
【泣かないもん】
そう打ち込んだ画面を見せながらわたしは唇をぎゅっと噛み締めた。
もう泣かない。想くんに泣いてるところばっかり見せられないし。
「強がっちゃって。可愛い」
今にも泣きそうになっているわたしとは反対に想くんは余裕そうに笑う。
だけど、すぐに表情を曇らせた。
「……千羽まであともうちょっとなのにな」



