「あぁ……これは紗那ちゃんがくれた紙飛行機の折り紙を使って俺が千羽鶴を折ってたんだ。君がくれたものだからご利益あるかなって。まあ、足りないから普通の折り紙も使っちゃってるけど。それにいつか紗那ちゃんがもう一度心から笑える日が来ますようにって勝手に願いながら折ってたんだ」
恥ずかしいな、と少し照れくさそうに口許を緩めた想くん。
さっき泣き止んだばかりだというのに再び鼻の奥がツンと痛んで、視界が滲んでくる。
だって、そんなのズルいよ。
わたしのためにここまで頑張って作ってくれていたなんて。
胸の中がじんわりと温かくなって、愛おしさが一気に溢れてくる。



