リューイがルイーシュの足止めを。
ジュリスとベリクリーデが令月とすぐりの足止めを、それぞれしてくれている間に。
俺とシルナとマシュリは、全速力でナジュのもとに急いだ。
「マシュリ、ナジュが何処にいるのか分かるか?」
「ちょっと待って。『ムシ』の匂いが強くて体臭を嗅ぎ分けにくい」
あぁ、そうなんだっけ。
俺とシルナには、全く何の匂いも感じない。
嗅ぎ分けにくいとは言いながら、マシュリはほんの数十秒程度で、
「見つけた。自分の部屋にいるみたいだね」
と、ナジュの居場所を特定してくれた。
よし、分かった。自分の部屋だな。
「近くに誰かいるか?天音とか…イレースとか」
「いや、彼らの匂いは感じない。でも…僕らが侵入してることは、多分もうバレてる」
だろうな。
学院に入った瞬間、令月とすぐりの熱烈な「歓迎」を受けてしまったのだ。
当然、あいつら全員、俺達の侵入に気づいているはず。
いつまた襲われても、おかしくない。
「学院長、羽久。君達で先に行って。僕は近くで見張ってるから」
と、マシュリ。
…分担するべきか。そうだな。
「分かった。くれぐれも気をつけて」
「分かってる」
マシュリは方向を変えて、見張りの為に姿を隠した。
残されたのは、俺とシルナの二人のみ。
目指すは、校舎内にあるナジュの部屋。
俺は容赦なく、無遠慮に、その部屋の扉を開けた。
「ナジュ!入るぞ」
「…!」
部屋の中にいたナジュは、俺とシルナの姿を見て、驚いて目を見開いていた。
…悪いな。
「あなた達は…今朝の…」
「また戻ってきたぞ。…お前らに大事な用があるんでな」
「…」
令月やすぐり、それに今朝のイレースと天音とは違って。
ナジュは、すぐに俺達に襲いかかるような真似はしなかった。
リューイ曰く、『ムシ』に精神を侵されると、本来の性格より凶暴に、好戦的になってしまうらしいが。
やはり、ナジュだけは違うようだな。
「忘れていること全部、思い出してもらうぞ」
「…あなた達は何者なんですか?何で…わざわざ危険を犯してまで、この学院に何度も忍び込むんですか」
そりゃ大事な用事があるからに決まってるだろ。
「それに…何で、リリスのことを知ってるんですか?…誰にも話したことなかったのに」
「お前の口から教えてもらったからだよ。だから知ってるんだ」
「え…?」
「お前は覚えてないかもしれないが、俺達は仲間なんだ。つい昨日まで、一緒に食堂でチョコレートを食べてた仲なんだよ」
あれ、本当に昨日のことか?
もう何年も前の出来事のように感じる。
たった半日程度で、色んなことが起こり過ぎて。
「お前らの身体の中に『ムシ』が入り込んで、記憶を消されてるだけなんだよ。思い出してくれ。俺達は仲間だったはずだろ!」
「…仲間…。記憶…?」
ナジュは困ったような、戸惑ったような表情で、頭を抑えた。
…もしかして効いてる?心臓手術しなくても、自力で『ムシ』の洗脳を解くことが出来るのでは?
ジュリスとベリクリーデが令月とすぐりの足止めを、それぞれしてくれている間に。
俺とシルナとマシュリは、全速力でナジュのもとに急いだ。
「マシュリ、ナジュが何処にいるのか分かるか?」
「ちょっと待って。『ムシ』の匂いが強くて体臭を嗅ぎ分けにくい」
あぁ、そうなんだっけ。
俺とシルナには、全く何の匂いも感じない。
嗅ぎ分けにくいとは言いながら、マシュリはほんの数十秒程度で、
「見つけた。自分の部屋にいるみたいだね」
と、ナジュの居場所を特定してくれた。
よし、分かった。自分の部屋だな。
「近くに誰かいるか?天音とか…イレースとか」
「いや、彼らの匂いは感じない。でも…僕らが侵入してることは、多分もうバレてる」
だろうな。
学院に入った瞬間、令月とすぐりの熱烈な「歓迎」を受けてしまったのだ。
当然、あいつら全員、俺達の侵入に気づいているはず。
いつまた襲われても、おかしくない。
「学院長、羽久。君達で先に行って。僕は近くで見張ってるから」
と、マシュリ。
…分担するべきか。そうだな。
「分かった。くれぐれも気をつけて」
「分かってる」
マシュリは方向を変えて、見張りの為に姿を隠した。
残されたのは、俺とシルナの二人のみ。
目指すは、校舎内にあるナジュの部屋。
俺は容赦なく、無遠慮に、その部屋の扉を開けた。
「ナジュ!入るぞ」
「…!」
部屋の中にいたナジュは、俺とシルナの姿を見て、驚いて目を見開いていた。
…悪いな。
「あなた達は…今朝の…」
「また戻ってきたぞ。…お前らに大事な用があるんでな」
「…」
令月やすぐり、それに今朝のイレースと天音とは違って。
ナジュは、すぐに俺達に襲いかかるような真似はしなかった。
リューイ曰く、『ムシ』に精神を侵されると、本来の性格より凶暴に、好戦的になってしまうらしいが。
やはり、ナジュだけは違うようだな。
「忘れていること全部、思い出してもらうぞ」
「…あなた達は何者なんですか?何で…わざわざ危険を犯してまで、この学院に何度も忍び込むんですか」
そりゃ大事な用事があるからに決まってるだろ。
「それに…何で、リリスのことを知ってるんですか?…誰にも話したことなかったのに」
「お前の口から教えてもらったからだよ。だから知ってるんだ」
「え…?」
「お前は覚えてないかもしれないが、俺達は仲間なんだ。つい昨日まで、一緒に食堂でチョコレートを食べてた仲なんだよ」
あれ、本当に昨日のことか?
もう何年も前の出来事のように感じる。
たった半日程度で、色んなことが起こり過ぎて。
「お前らの身体の中に『ムシ』が入り込んで、記憶を消されてるだけなんだよ。思い出してくれ。俺達は仲間だったはずだろ!」
「…仲間…。記憶…?」
ナジュは困ったような、戸惑ったような表情で、頭を抑えた。
…もしかして効いてる?心臓手術しなくても、自力で『ムシ』の洗脳を解くことが出来るのでは?


