「こんな成績じゃ、一流にはなれないわよ。」

「…申し訳ありません。」

モモコの母親の手元には、高校の時の成績表があった。
数学の評定だけ、5段階中の4と記されていた。

「毎回オール5だったのに、数学だけサボったわけ?」

「…いいえ。」

「…ならどうして?説明しなさい。」

「…え、っと、」

パチンッといって頬に痛みが走る。
右頬を抑えながら、母親の方を向いた。



「どうして答えられないの?つくづく出来損ないね。失望したわ。もう二度と帰ってこないで。」













私の頬には、ヒリヒリとした痛みが残っていた。