薄暗い空。

それに伴って暗くなる病室。

人々は明日に希望抱いて今日を終える準備をする。

そんな人達が、私は酷く妬ましい。

そして、妬みを抱いてしまう私はなんて惨めなんだろう。

誰にだって平等に訪れるはずの未来。

横で私を見守る彼。

彼にもまた、美しい未来があるのだと思うと酷く虚しくなってしまう。

彼はいつまで私のことを想ってくれるのだろう?

年老いて亡くなるまで、私を好いて居てくれるのだろうか?

例え好いていてくれなくとも、私という人間がいたと言うことを覚えていて欲しい。

私は彼を忘れたくない。

彼も同じだと嬉しい。

彼は私の頭を撫でながら「大丈夫だよ」と優しい言葉もかけてくれるのに。

私は彼に何もしてあげられないことが悔しい。

時間が経つにつれて、私の心拍数は弱まっていく。

次第に上手く考えも浮かばなくなっていく。

彼と出会った6年間、私はとても幸せだった。

長いようでとても短い私の人生にも、意味を持たせてくれた。

そんな彼は私にとってのヒーローであり、私の第2の心臓でもあった。

私は彼の心臓になれただろうか?

普通の子になれなくてごめんなさい。

最期まで一緒にいてくれてありがとう。

瞼が重くなってきた。

どうか私を忘れないで。

どうか泣かないで。

私のヒーロー。

私の色の無い世界に色を与えてくれた。

世界で1番愛したあなたに。

もう1度会いたい。


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